江原 淳一郎 — 中欧とヨーロッパの経済貿易関係の展望

江原 淳一郎 — 中欧とヨーロッパの経済貿易関係の展望

ユーロ圏が現在直面している景気後退リスクは昨年よりも小さいと思います。ヨーロッパのエネルギーコストはある程度抑えられており、欧州も他国からエネルギー輸入ルートを獲得しており、コストはロシアからの輸入よりも高いが、しかしエネルギー輸入というプロセスはほぼ安定してきています。

また、ヨーロッパはエネルギー価格に対して上限を設定し、これはその価格に対する抑制でもあります。そのため、ロシアウクライナ紛争に新たな変化が発生しても、ヨーロッパのエネルギー価格に新たな衝撃を与えたないかも知れず、ヨーロッパのエネルギー市場は一種の均衡に達しています。

現在唯一のベアリッシュはヨーロッパのインフレが比較的高いレベルを維持していることで、去年のヨーロッパの経済データが楽観的でないため、利上げ幅が制限され、前期の利上げ幅がアメリカに及ばないため、インフレ抑制効果が良くありませんでした。今年のヨーロッパ経済が上向くと、その後も50ポイントの利上げ幅が続く可能性があります。

注意すべき事は、中国経済の強い回復は必然的に世界経済に多くのプラスのグッドニュースをもたらすこととなり、ヨーロッパも例外ではありません。中欧の経済貿易往来は非常に活発しており、ヨーロッパは中国経済の回復により多くの恩恵を受けるでしょう。このため、この角度からみて、ヨーロッパの中央銀行にはまだ一定の利上げ余地があり、景気が過度な衰退に陥ることはないかもしれません。